成長力引き出す税制に
公明党の税制調査会(斉藤鉄夫会長)は8日、衆院第1議員会館で総会を開き、来年度税制改正に関する基本的考え方【全文】をまとめた。
この中で税制の抜本改革に向けては、持続可能な社会保障の確立へ「社会保障のあるべき姿を早急に国民に示し、その上で、社会保障と税の一体改革を進めていくことが求められている」と指摘。
一方、民主党政権は2009年衆院選で「消費税は4年間上げない」とした公約を破り、消費税増税を先行させているとして「国民との契約違反であり、到底容認できるものではない」と批判した。
その上で、税制の抜本改革に当たっては、「不断の行政改革の推進、歳出の無駄の排除の徹底を図るとともに、景気経済状況を十分に踏まえて対応しなければならない」と主張。今年度税制改正で積み残した課題は「税制の抜本改革において、税体系全般の整合性を図りつつ検討すべき」とした。
来年度税制改正に対しては日本経済の厳しい現状を踏まえ、「家計、企業、農林水産業など日本の潜在的な成長を引き出すための経済財政運営を引き続き講じていくべき」として、租税特別措置などの政策税制にきめ細かく対応する必要性を強調した。
具体的には、自動車関係諸税について「簡素化」「グリーン化」「負担の軽減」の観点から、取得・保有・走行の各段階での複数課税の見直しを提言。
自動車取得税は税制の抜本改革と併せて廃止するとともに、保有時の課税である自動車重量税と自動車税を統合し、負担を軽減するよう提案。その際、地方財政に影響が出ないよう配慮することも求めた。
来年で期限切れを迎えるエコカー減税は「地球温暖化対策の推進や地域経済の活性化の観点から延長・拡充すべき」とした。
さらに、復興特区制度による課税の特例措置を福島県の全地方公共団体に適用し、措置を拡充するよう要請。地球温暖化対策税は温室効果ガスの排出抑制や再生可能エネルギーの導入などを進める観点から「導入の方向で検討すべき」とした。
このほか、農林漁業者などに対する軽油引取税の課税免除の特例措置や、石油石炭税の農林漁業用A重油の免税・還付措置の恒久化などを提示した。
【公明新聞より転載】