【2010年2月9日付 公明新聞より】
衆院予算委員会は8日、鳩山由紀夫首相と全閣僚が出席し、2010年度予算案の基本的質疑を行った。公明党から斉藤鉄夫政務調査会長、石井啓一政調会長代理が質問に立ち、「政治とカネ」をめぐる鳩山政権の政治姿勢をはじめ、子育て支援や地球温暖化問題、10年度予算案の問題点など政府の見解をただした。
斉藤氏は、公明など野党3党が提出した、政治資金規正法違反罪で起訴された民主党・石川知裕衆院議員の議員辞職勧告決議案の審議を要望。民主党内にある「秘書の時の問題だから国会で審議するには当たらない」との主張に対し、「(首相が)民主党の代表として『決議案を議論しよう』と、党に対して指示することだ」と、首相の指導力発揮を求めた。鳩山首相は、「国会運営の中で決めること」と逃げの答弁に終始した。
また、斉藤氏は、政治資金の使途などについて民主党の小沢一郎幹事長が国会で十分な説明責任を果たすよう求めるとともに、公明党が各党に呼び掛けている政治資金規正法の改正に向けた与野党協議への見解を求めた。
鳩山首相は、与野党協議について、「(民主)党の代表として前向きに判断したい」と応じた。
斉藤氏は、民主党が野党時代に児童手当の拡充に反対してきたにもかかわらず、10年度予算案で児童手当を残しつつ支給対象や金額を上乗せする子ども手当を導入することについて、「児童手当(の拡充)そのもの。なぜ今まで反対してきたのか」と同党の矛盾した対応を批判した。
その上で、11年度以降、民主党が主張する総額5.3兆円の子ども手当の支給を行うかどうか、見解をただした。鳩山首相は「全額支給できるように努力したい」と述べた。
また、斉藤氏は「子育て支援には、経済的支援と保育所の整備など環境整備がある」と指摘。両者のバランスが大事だとして、子育て支援の全体像を示すよう強調した。
一方、斉藤氏は、鳩山首相が掲げる2020年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを25%削減する目標を評価する一方、「一つ間違えると日本が衰退する道にもなっていく」と主張。25%削減目標を環境・エネルギーの技術革新につなげる具体像や国内対策を追及した。さらに温室効果ガス削減の新たな国際的枠組みの合意をめざした昨年12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で首相がリーダーシップを発揮できなかった点をただした。
その上で、米国や中国、インドなど主要排出国を含めた新たな枠組みができなければ、日本には京都議定書で課せられた過大な義務だけが残り、「日本経済は縮小していかざるを得ない。今その岐路に立っている」と強調した。