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10年度予算案 国民目線で徹底審議

成長戦略、具体策示せ
国債、埋蔵金頼みの財源 財政基盤を崩す恐れ
NHK番組で斉藤政調会長

2010年度予算案などについて見解を述べる斉藤鉄夫=31日 テレビ画面から撮影

2010年度予算案などについて見解を述べる斉藤鉄夫=31日 テレビ画面から撮影

公明党の斉藤鉄夫政務調査会長は31日午前、NHK番組「日曜討論」に与野党各党の政策責任者らとともに出演し、1日から本格的な審議が始まる2010年度予算案について、国民目線で疑問点を追及し、徹底審議していく考えを強調した。

斉藤氏は、民主党がマニフェスト(政権公約)を実現するための財源を、予算の組み替えやムダ削減で捻出すると主張していたことに触れ、「現実には、事業仕分けなど(による)ムダ削減は0・7兆円にすぎない」と指摘。残りは国債発行や一時的な財源である埋蔵金で賄っているとして、「財政基盤を崩しつつある。そこに大きな危機感を持っている」と懸念を表明。その上で、「(深刻な財政悪化を)どう回避すべきかという議論が、政府・与党の中であるべきだが、ほとんど形跡がない」と指摘し、財政健全化への道筋を明確に示すよう求めた。

さらに鳩山政権が昨年末に発表した新成長戦略の基本方針について、「成長戦略と財政規律は“車の両輪”だ。『将来、財政は大丈夫です。財政再建します』という安心感がなければ成長しない」と指摘。成長戦略の柱である環境、健康、観光の各分野で「もっと具体策を出してほしい。(温室効果ガス)25%削減も具体策がまったく出ていない」と批判した。

また、中学生以下の子ども1人当たり月額2万6000円を支給する子ども手当(10年度は半額)については、「子育て(支援)全体の中で、どう位置付けられているかが明確でない」と指摘。家計支援だけでなく、保育施設の拡充なども同時に行う必要性を訴えた。これに関連し、野田佳彦財務副大臣は、11年度からの満額支給について「ハードルは高い」と述べ、実現が困難との見通しを示した。

一方、斉藤氏は、鳩山由紀夫首相と小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」をめぐる問題について、政治に対する国民の信頼を回復するため、国会の場で自ら説明責任を果たすべきだとの考えを強調。その上で、「不思議なのは、民主党の中から、自浄能力を発揮しようという声がまったく出てこない(ことだ)。わが党だったら、秘書が逮捕されたら即議員辞職だ」と厳しく批判した。