民主党のムダ削減口だけで実行なし
【問責2閣僚】
斉藤鉄夫幹事長代行 参院で問責決議を受けた田中直紀防衛相、前田武志国土交通相を早く交代させるべきだ。(消費増税法案は消費税率の引き上げに伴う)住宅の取得や自動車税制に関する諸施策に触れている。これらは、いずれも国交相の所管で、ここに来ることができないと、実質的な深みのある審議ができない。
野田佳彦首相 一つの院において問責決議が成立した事実は重く受け止めないといけない。問責を受けた閣僚は、反省すべき点は大いに反省しながら、緊張感をもって職責を果たしてほしい。
斉藤 首相は「政治生命を懸ける」と言うが、やる気があるのか、疑わざるを得ない。
【消費増税法案】
斉藤 報道では、主要国首脳会議で“消費増税法案を今国会で成立させたい”と発言したという。国際公約と理解してもいいのか。
首相 国際公約として語ったわけではない。法案成立を期すとの立場を説明した。会議で主張したことが全部、国際公約になるのかどうか。フリーディスカッションの場でわが国の取り組みを申し上げたということだ。
【民主の公約違反】
斉藤 (民主党マニフェストは)有権者との約束に反したことがたくさんあった。結果的に国民をだましたことを素直に認めるところから始めるべきだ。
首相 基本的には、16.8兆円の財源確保策ができなかった。その見通しの甘さについて、率直におわびしたい。ただ、例えば東日本大震災で(政策の)優先順位を変えざるを得ない場面があった。
斉藤 言い訳だ。そもそも、16.8兆円の財源が出てこなかったことがマニフェスト破綻の最大の原因だ。そのことを隠して、震災などにかこつけているのは、誠実な姿勢ではない。
【行政改革】
斉藤 民主党が掲げたムダ削減が進んでいない。自公政権と民主党政権を比べると、(例えば)国債発行額は(年)約12.8兆円増えている。税収が約4.9兆円減ったことから、その差は8兆円になる。また、政策経費も約8兆円増えている。つまり、ムダを排するどころか、“水膨れ予算”をつくった。そういう体質のまま、消費税を上げてもいいのか。
岡田克也副総理 社会保障費が毎年増えているのが水膨れの中身だ。
斉藤 社会保障費は毎年、0.7兆~0.8兆円ずつ自然増している。自公政権では歳出総額や国債発行額を変えず、(財源ねん出に)努力してきた。民主党政権は歳出額や国債発行額が増えている。「ムダ削減」と口では言うが、現実、やっていない。
【社会保障・税一体改革】
斉藤 まず社会保障の全体像が不明だ。年金の抜本改革や最低保障年金は来年出す予定というが、中身は全く不明だ。後期高齢者医療制度も今国会に(見直し法案を)出すはずが出てこない。私たちはまず、社会保障のビジョンを示し、どれだけお金が掛かるか、そして、どうやって負担するか、という順序で議論したいと考え、一昨年、「新しい福祉社会ビジョン」(中間とりまとめ)を発表している。
首相 一体改革は(政府の)大綱でそれぞれの改革項目、実施時期を明示している。
【年金改革】
斉藤 首相は、国会で「2009年の財政検証でも将来にわたり年金財政の給付と負担の均衡が図られると確認されている」と答弁した。非現実的な民主党の改革案に固執しなければ、身のある議論ができるのではないか。
副総理 各党間で合意に至れば、わが党だけで法律を出すことにはならない。
【経済対策】
斉藤 デフレ克服が大きな要素で、経済成長も図らないといけないが、(民主党政権は)経済成長戦略がなさ過ぎる。公明党は「防災・減災ニューディール」を掲げ、命を守る観点から社会資本の再整備に集中投資し、需給ギャップを埋めて、経済を活性化していく考え方だ。
首相 デフレからの脱却は引き続き重要課題だ。
【公明新聞より転載】