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斉藤・新国交相に聞く 公明新聞2021年10月7日付

 

災害から命と暮らしを守る

 ーー国交相としての抱負は。

 斉藤国交相 国土交通行政は、国民生活に直結する分野です。だからこそ謙虚に国民の皆さんの声を聴き、政策に反映させる決意です。また、新政権の中で自公連立の要として存在感を発揮し、政権が円滑に運営されるよう尽力します。

 ――重点を置く政策は。

 斉藤 災害から国民の命と暮らしを守る防災・減災に全力を挙げます。私は、2014年の広島土砂災害や18年の西日本豪雨の被害を目の当たりにしました。その教訓を踏まえた防災・減災対策の強化を推進した結果、今年8月の大雨で広島市は、砂防ダムなどの整備や、早めに警戒を呼び掛けたことで多くの命が守られました。防災・減災対策はハード・ソフト両面で実行することが重要だと痛感しています。

 今年度から総事業費15兆円の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が始まりました。特に、自治体、企業、住民など地域が一体となって水害対策に取り組む「流域治水」や、線状降水帯の予測技術の早期確立といった対策を強化します。

感染防止と観光振興 両立へ

 ――観光・交通事業者への支援については。

 斉藤 コロナ禍で観光・交通は深刻な影響を受けています。コロナワクチン接種の有無などを確認する「ワクチン・検査パッケージ」も活用し、感染拡大防止と観光振興の両立を実現する必要があります。感染収束を前提に観光が回復し、公共交通の利用者が増えるよう早急に施策を講じたい。

 観光は成長戦略の柱であり、地方創生の切り札です。2030年に訪日客6000万人に増やす政府目標は堅持し、観光立国の実現をめざします。

 ――その他の国土交通行政の課題は。

 斉藤 政府が掲げるカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現への取り組みに関しては、住宅や自動車など幅広い分野を所管する国交省としても総力を挙げる決意です。住宅・建築物の省エネ対策の徹底や次世代自動車の普及、船舶・航空分野の脱炭素化などに力を注ぎます。

 また、老朽化したインフラ対策の一環として、既存のインフラを持続的に使えるよう優先順位を付けて保全したいと考えています。地域の移動手段の確保やバリアフリーの充実にも力を入れていきます。