原発災害 事態収束急げ
水、食料の安全確保を 避難者支援など緊急要請
公明党福島第1原子力発電所災害対策本部の斉藤鉄夫本部長(幹事長代行)は25日、首相官邸で福山哲郎官房副長官に会い、原発事故の一刻も早い事態の収束と、広域的な放射能汚染に対する不安の解消に向けた緊急要請を行った。これには大口善徳副本部長(衆院議員)、浜田昌良事務局長(参院議員)が同席した。
■正確、迅速、明解な情報提供
■屋内退避圏への物資支援
■降雨後の浄水場取水制限
■関東圏含む相談電話開設
■幅広い補償方針の明確化
斉藤本部長は冒頭、「1号機から4号機まで予断を許さない状況だ。農作物や飲用水への影響が懸念され、社会生活にも大きな混乱が生じている」との認識を示し、「早期の事態収束へ全力を挙げよ」と強調。その上で(1)原子力発電所対策(2)避難者への支援(3)放射能汚染対策(4)被ばくに関する相談と医療体制の整備(5)補償方針の明確化―の観点から、公明党がまとめた要望事項の実現を迫った。
「原発対策」では、原子炉と使用済み核燃料の冷却作業が実施されている福島第1原発の一日も早い安定化とともに、国民目線に立った「正確」「迅速」「明解」な情報提供に徹することを要請。
「避難者への支援」では、福島第1原発から半径20キロ~30キロ以内の「屋内退避地域」で食料や燃料の物流が滞り、不安で不便な生活を送る住民への優先的な物資支援と、避難を希望した場合の支援に万全を期すよう要請した。
広域的に懸念が広がっている「放射能汚染対策」では、農畜産物の摂取制限と出荷制限の科学的根拠について「分かりやすい説明と広報が必要」と強調。出荷制限の対象となったり、風評被害を受けた農畜産家に対して、当面のつなぎ無利子融資と補償を早期に実施することを提案した。
また、関東地方の一部地域の水道水から乳児の飲用基準を上回る放射性物質が検出された問題について「(放射性物質が付着した)雨が降っている時に浄水場へ取水したことが原因ではないか」と指摘。降雨直後の浄水場への取水制限を求めたほか、住民に水道水の飲用制限を行う場合、ペットボトルなどの飲用水を配布するよう要請した。このほか、放射能汚染や被ばくに関する生活・健康相談電話窓口の開設や、原発事故で生じた住民や農畜産家の損失を幅広く補償する方針を早く明確にするよう迫った。
福山副長官は「提言をしっかり受け止め、全力で対応する」と答え、つなぎ無利子融資と降雨直後の取水制限については、直ちに着手する考えを示した。
【公明新聞より転載】